この躁状態とうつ状態が両方現れます。
うつ病の主な症状をご覧ください。
気分、行動、思考がバラバラで一致せず、患者様によって症状に差があります。
混合状態の症状が見られる場合は、自殺のリスクが高まると言われています。
気分が高まる躁(そう)状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰り返す病気で、以前は躁うつ病と呼ばれていました。双極性感情障害、(そうきょくせいかんじょうしょうがい)とも呼ばれます。躁状態では、何でも出来る気分になったり、一方的に話し続けたり、眠らないで活動し続けたりといった行動がだいたい1週間以上見られます。躁状態だけの場合もいずれうつ状態が出てくる場合が多いので、双極性障害(そうきょくせいしょうがい)に当てはまりますが、うつ状態だけが続いている間は「うつ病」と区別がつきません。
しかし、うつ病から双極性障害(そうきょくせいしょうがい)に診断が変更になる割合も多く、判断が難しいところです。若年での発症や血縁者に双極性障害(そうきょくせいしょうがい)の方がいる場合は、双極性障害(そうきょくせいしょうがい)の可能性が高まります。一般的に躁状態よりも、うつ状態の期間の方が長いです。また、うつ病よりも重いうつ状態であることが多いです。
およそ100人に1人の割合でかかる病気と言われており、他の精神疾患と比べると自殺リスクが高い傾向にあります。また再発率も高いため、再発予防療法が必要と考えられています。気になる症状がある方はぜひ診察にいらしていただきたいと思います。
はっきりした躁状態と、うつ状態があります。
躁状態では、周りの人からみると普段と「別人」と感じるような活発さがみられることがあります。社会生活や人間関係を壊してしまうような行動がみられることもあり、入院治療が必要な場合もあります。
軽い躁状態(軽躁状態)と、うつ状態があります。
Ⅰ型と比べると軽い躁状態で、うつ状態がⅠ型より長いと言われています。躁状態が軽いので、患者様は気分がいいと感じているだけで軽躁状態の自覚がない場合があり、うつ病と区別がつきにくい傾向にあります。
脳で働く神経の伝達物質の働きが悪くなっていると考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。病気になりやすい体質(ストレスに対する敏感さ・弱さなど)の方は、遺伝的な側面もあると考えられています。
双極性障害は、「うつ病」と症状が似ているため、慎重な診断が必要となります。これは、双極性障害と「うつ病」では治療方針が異なるからです。
躁状態で受診した場合は双極性障害と診断が比較的つきやすいです。しかし、うつ状態の場合は双極性障害によるうつ状態なのか、「うつ病」による症状なのか区別がつきません。
躁状態が出る周期は個人差があり、数カ月~年単位とも言われています。
双極Ⅱ型障害の躁状態はⅠ型と比べると軽く、患者様は気分がいいくらいにしか感じておらず、躁状態と気づいていない傾向もみられます。ご家族や親しい方から話を聞くことで、患者様に躁状態があったことが判明し、双極性障害と診断されることもあります。
実際に、「うつ病」と診断された患者さんが双極性障害に診断が変わることもあるので、正しい診断を受けるまでに数年以上かかる場合があります。
双極性障害は、患者様やご家族の方へ過去数年にさかのぼって、躁状態がなかったかの確認も診断に有効と言われています。
双極性障害は服薬を続け、規則正しい生活を送ることが、症状の安定に役立つと考えられています。
気分安定薬、抗精神薬などが主に使われます。
気分の波を緩やかにすることで症状をコントロールしながら、安定した社会生活を送ることを目指します。
双極性障害における薬物療法は症状の改善だけではなく、再発を防ぐことにも効果が期待されます。たとえ症状が改善した場合でも、自己判断で服薬を中止せず、医師の指示に従い飲み続けることが大切です。
服薬は副作用が現れる可能性もあります。副作用の種類や程度には個人差がありますので、少しでも気になる症状が現れた場合は、まずは医師まで相談をしてください。
心理教育を受けることで、症状、予後の改善に役立つと考えられています。
患者様と、可能ならばご家族、パートナーの方など親しい方が心理教育を受けることで、病気を理解し、病状に向き合い、より良い生活を送るための知識や対処法を学ぶことを目的としています。再発の兆候に早期に気づき、適切な医療につなげることも期待されます。
当院では、患者様の状態に合わせて、認知行動療法や社会復帰に向けた支援プログラム(リワークなど)を行っています。
認知行動療法は、患者様の思考や行動のパターンに着目し、よりよい状態を目指していきます。
リワークプログラム、デイ・ナイトケアは、社会復帰に向けた訓練のサポートを行っています。
双極性障害では、規則正しい生活習慣を送ることが大切です。 中でも睡眠リズムの安定は気分の変動を抑制する上で、重要と言われています。
健康的な生活は、ストレスに対する抵抗力を高める効果が期待できます。
規則正しい生活を送ることで体調管理をするだけではなく、自己管理能力を高めることで心理的な安定につながります。
早期発見、早期治療をすることで、症状の悪化を防ぎ、社会生活への影響を軽減すると考えられています。適切な治療を受けない場合、特に躁状態の際には社会生活に影響が生じる可能性もあります。
早期に治療を開始することは、再発リスクを軽減し、長期的な安定につながると考えられています。
自殺リスクが比較的高いとされる精神疾患の一つですので、ご本人やご家族に気になる症状がある場合は、早期に医療機関にご相談をいただくことが大切です。
当院では、ご家族の方からのご相談も受け付けております。
ご予約・お問い合わせ:03-3961-9603
双極性障害は、脳の機能的な病気と考えられています。双極Ⅰ型障害の躁状態では、普段とは異なる言動がみられ、場合によっては周囲の方の気分を害することもありますが、症状によるものであるとご理解ください。感情的にならず冷静な対応をお願いいたします。
双極性障害は、躁状態よりもうつ状態のときが長いと言われます。
一般的に患者様は躁状態を元気な状況ととらえやすく、周りの人はうつ状態は躁状態に比べると軽くとらえる傾向にあります。躁状態とうつ状態の症状は人によって異なるので、個々の症状を理解し、適したサポートをすることが必要です。
患者様の自立を促しつつ、必要なときにはサポートをしていくことが大切です。
患者様の再発のサインに気を配ってあげてください。
変化に気づいたら、まずは患者様に伝え、場合によっては医療機関への相談を促してあげてください。
ご予約・お問い合わせ:03-3961-9603